あなたが 笑って生きてる ただそれだけで
あたしが好きになった康二くんは既に“関西ジュニアのお兄ちゃん”の向井康二だった。
周りをよく見て、みんなが輝くように振る舞って。あたしはそんな優しい康二くんを好きになった。
だから次に関西にグループができる時は関西を引っ張ってきた康二くんと、大ちゃん(西畑大吾)を中心としたグループができるんだろう。
いつ来るかわからないその時をそんな風に夢見てた。
そして1年前。関西ジュニアにグループができた。そのメンバーの中に康二くんの名前はなかった。次に関西にできるのは“康二くんと大ちゃんが中心となったグループ”。あたしが信じて疑わなかった未来は来なかった。
それからどんどんなにわ男子の露出が増えた。なにわ男子結成が発表になる前には当落が出てた梅芸での公演も“4年ぶりに関西にできたグループのお披露目”公演になっていた。
“結成間もないなにわ男子の公演がチケット即完売”そんな風にテレビには取り上げられた。悔しかった。康二くんが“4年ぶりに関西にできたグループ”のメンバーじゃないことが。
梅芸が終わるとすぐに松竹座での公演が始まった。
あたしは梅芸も冬松竹もチケットを持っていなかったから、ひたすらレポを漁った。
康二くんの出番が劇的に減ったわけではない。ただちょっと、立ち位置が後ろになっただけだ。そう自分に言い聞かせた。
だって、MCも挨拶も康二くんが活躍する番だ。康二くんが先頭に立って活躍する番がちゃんとある。
だけど、あたしはふと思ってしまった。
康二くんは康二くんが1番輝くために振る舞えていないんじゃないか。
Mステ出た時のため!ってMステのオープニングみたいに階段を降りる練習をステージセットを使ってする関西ジュニアの中で、全員が降りる側にはいけないからとタモリさん役に徹した康二くんが、龍太くんと、楽屋のちょっとした段差を使って練習した。
あとからこのエピソードを聞いて切なくなってしまった。康二くんだってそりゃ、階段降りる側やりたいよね。
この話があたしの中で決定打となった。
それからはレポを読むのが今まで以上に辛くなった。
これからどんな仕事をしたいか。みんなに聞くのは康二くんの役目だ。
だから、康二くんがどんな仕事をしたいかわからない。
康二くんがいつだってみんなに話を振っている。
だから、康二くんの言葉は中々聞けない。
こんな書き方をしたら、“みんな”を下げることになるのはわかってる。康二くんが好きなあたしが贔屓目で見てるのもわかる。だけど、ごめんなさい。康二くんが東京に来て、デビューが決まった今でも、こうやって言葉にしたいと思う程度にあたしにはそう感じた。
あたしが好きになった康二くんは、康二くんが本当になりたかった康二くんなのかな??
ならざるを得なくて、関西のお兄ちゃんになったのかな??
そんな疑問は「関西ジュニアに関するものすべてが宝物」だという康二くんの言葉が答えな気がした。大好きな関西ジュニアを輝かせるためにした行動なんだよって言っているような気がした。きっとこの考えであってると思う。
だけど、本当はどうなのかはもちろん分からず仕舞いだった。
あれから9ヶ月。
康二くんは関西ジュニアとしてではなく、Snow Manとして日生劇場に立っている。
Snow Manとして2020年にデビューが決まり、集大成と言われている少年たち。
その少年たちで康二くんにこんなセリフがあった。
「ちっちゃい頃はやんちゃで、だけど大人になるにつれて周りを気にするようになって俺はいつからこんな小さい人間になったんや。」
セリフだけど、セリフには聞こえなかった。
関西にいたころの関西ジュニアの為に立ち振る舞う康二くんを思い出した。
みんなに話を振って、みんなのフォローをして、機転が利いて、みんなのお兄ちゃんで。あたしが大好きな康二くん。
そんな康二くんを康二くんが“小さい人間”って思っていたなら嫌だなと思った。涙が止まらなくなった。
「小さくなったんじゃない!康二はみんなを笑顔にする力がある!」
康二くんのセリフの後に、こんなセリフが続いた。康二くんの行動でこんなに笑顔になれるんだよ。康二くんの存在がこんなに幸せをもたらしてくれるんだよ。康二くんに届いて欲しい想いが言葉として用意されていたことが嬉しかった。
今年の少年たちに賛否両論あるのは知っている。だけどあたしは今年の少年たちが好きだ。
康二くんの心を少し覗けた気分になれたから。
日替わりの手紙だってみんなの心の声を聞けるから好きだ。
あたしが好きになった康二くんは、康二くんが本当になりたかった康二くんなのかな??
ならざるを得なくて、関西のお兄ちゃんになったのかな??
この答えも少年たちを観て、見つけられた。
「小さくなったんじゃない!康二にはみんなを笑顔にする力がある!」
ふっかさんのセリフの次には康二くんのセリフが続く。
「自分がなにかして人が笑ってくれると最高の気分なんだ」
あぁ、康二くんは天性のアイドルだ。
康二くんは宝物の関西ジュニアを大きくするために、関西のおにいちゃんになる道を自分から選んだんだ。
なんだか、ずっと気にかかっていたことが溶けて無くなった気がした。
だけど、東京に来たからには康二くんが康二くんのために笑えますように、康二くんが自分が輝くために行動できますように。そう思う。
そして、それがSnow Manに還元されたらいちばんだなぁ、とも思う。
そんな風に思わせてくれた「少年たち To be!」はあたしにとって大切な作品になった。デビューが決まった今、この作品と出会えて本当に良かった。
康二くん、「少年たち To be!」に出会わせてくれてありがとう!!心の底からの感謝と愛を込めて。